第20回 アラ還爺 雄蕊覚蔵の呟き(対自核)

コラム

「こんにちは、かんれき財務経営研究所の雄蕊覚蔵です!このブログにお越しいただきありがとうございます。」第20回は、ブログ掲載の1つの区切りとして再び『アラ還爺 雄蕊覚蔵の呟き(対自核)』と題して雄蕊なりの「最近の想い」を記述してみたいと思います。

「対自核」は、イギリスのバンド、ユーライア・ヒープが1971年に発表した3作目のスタジオ・アルバムのタイトルの邦題で原題は「Look at Yourself」です。つまり、「企業や個人が、自身を見つめ直して、進化しよう」という意味を込めて、今回のタイトルに引用させていただきました。

2020年9月16日、「縦割り、既得権益、悪しき前例主義の打破」を掲げる菅義偉内閣が発足しました。
菅首相は、日本の中小企業の生産性が諸外国に比較して低いことに懸念を示し、小規模の利点を生んでいる中小企業基本法の区分要件の改正と、合併等で中小企業を再編し規模を拡大することで経営の効率化や生産性の向上を図りたいという意向を示しています。これは、機動力と柔軟性に優れた中小企業の存在が、日本経済の原動力でもあるので、日本の産業構造の大きな変革に繋がっていくと考えられ、中小企業経営者や中小企業関連団体等にとっては、新たな懸念材料の一つになっていく可能性があると思います。

また、中小企業経営者に対するコロナ禍の影響に関する様々なアンケート結果をみると、どの調査においても中小企業経営者のうちコロナ禍の影響で「廃業を予定している」と回答しているのが約1割、さらに「助成金などの申請をしていない」、「売上げ低下に対策を行っていない」と対策を講じていない経営者の割合は、ともに約3割に及んでいます。こうした結果から考えると、中小企業の3割が淘汰されるという話もありますが、菅首相の意向もあれば、中小企業の再編は、スピード感を持って進んでいくことも現実味がある話だと思います。

また、菅首相は、「地方銀行は数が多すぎる」と地方銀行の再編にも意欲を示しています。

地域金融機関の現状は、超低金利の継続、人口減少などを背景に厳しさを増しています。そこにコロナ禍が重なったため、収益環境はさらに悪化するのが確実だと思います。2020年3月期連結決算をみると、上場地銀78行・グループのうち、7割を占める57行が前期に比べて減益もしくは赤字になっています。赤字が継続すればいずれ資本も食いつぶす事態に陥りかねません。今回のコロナ禍で地域金融機関の取引先の倒産や廃業が急増するのはこれからです。経営環境が厳しく、思うように与信費用を盛り込めない地銀は少なくありません。金融庁は9月の中間決算を控え、資本不足に陥る地域金融機関が出る可能性があると見ているという記事もありました。地方銀行の再編も中小企業の再編と同様、かなり高い確率で加速度的に進んでいくとの判断が妥当だといえるのではないでしょうか?

雄蕊は、地域金融機関の経営そのものに関与した経験はなく、大所高所からの視点で意見は述べられないのですが、約40年に亘る中小企業金融の現場での経験からいえば、このブログの「第3回 危惧される「倫理の欠如(モラルハザード)」」でも述べたとおり、金融機関の担当者の「目利き力」は確実に後退していると感じています。金融機関の基本的な機能を考えると、危うい状況にあることに間違いはないでしょう。

 

話は変わりますが、雄蕊は「前例踏襲、横並び」が嫌いです。先入観を捨て、固定観念や既成概念に囚われず、自分自身を見つめ直して、事実を素直に受け入れ、ゼロベースで物事を考えることが、変革・進化に繋がると思っています。
クライアント先で「こんなことをしてみませんか?」
⇒「他の同業者では、そんなことはやっていない。」
⇒「この業界では、雇用の流動性が高いので、どうしようもない。」
新しいことや同業他社は取り入れていないけど異業種でやっていることを取り入れてみようと提案しても、クライアントからは、こんな言葉がよく返ってきます。
雄蕊のなかでは、同業他社と同じことをしていても従業員のモチベーションはあがらないし、競合相手との差別化を図ることができない。イノベーションを起こすためには、他社でやっていないことにチャレンジすることが、不可欠だという強い思いがあります。どうでしょう?一緒に、先入観を捨て、固定観念や既成概念に囚われず、ゼロベースでチャレンジしてみませんか?

次は、雄蕊自身の「対自核」の話題を2つお話させていただきます。
《その1》
雄蕊は、45歳の頃に老眼になりました。書類の文字や数字がはっきり見えにくくなり、眼科を受診したところ、めでたく健康的な老眼だと診断されました。生まれてその時まで視力だけは良かったので、眼鏡をかけることはありませんでした。鮮烈な?眼鏡デビューを果たしました。
最近、心も老眼になったように感じています。気が付けば、近視眼的なことに対する思いより、もっとずっと先のことを見据えるようになっていました。金融機関勤務時代、特に管理職になってからそうした思考法が次第に身に付いていたのかもしれません。
当時から部下に質問するとき、様々な指示を出すとき、上司へ相談するとき等々、常に雄蕊なりの「答え」を持ったうえで動いていました。
財務の仕事は、現在の状態を把握し、それを基に将来の姿を予測することが中心です。損益予測、資金繰り予測等、先を読み、先回りしてその対応を準備し、例えば資金繰りの安定化に向けて現場で対策を実行してもらう。
こうした思考法が癖になったようで、財務の仕事に関わらず、様々な出来事に接する場面で、その後の展開を予測するようになっています。この予測は、良いことも悪いことも割合よく当たるので、少し微妙な気分です。

企業に置き換えて考えてみます。例えば、6階建てのビルに事業場があるとすれば、経営者や経営幹部は、6階か屋上から見える景色から経営判断をする必要があります。また、中間管理職の立場の方は、3階か4階の立ち位置でしょうか。企業のなかで果たすべき役割に応じた視野の広さを持って、物事を判断する必要があると思います。

《その2》
身近にいる二人の女性から同じ指摘を受け、「ハッ!」と気付かされたことがあります。雄蕊のなかには、「性悪のDNA」があるのではないかと思わされ、ショックを受けたエピソードです。
二人の女性から言われた言葉は「そんな意地悪な質問の仕方をしないでください!」「根にもって、後でぶり返すくらいならその場ではっきり言ってください!」ほぼそんなニュアンスです。「そうか自分は、そんな性悪な質問の仕方をしていたのだ!?」「なんて自分は女々しい奴なんだ」と思い知らされた言葉でした。たぶん、これまでもそんなシーンは数多くあったと思います。少なくとも雄蕊のなかで大切に思う二人の女性からズバッと言われた言葉は、心に突き刺さりました。雄蕊自身が気付いていない言動に対して、遠慮なく指摘し、気付きを与えてくれたことに感謝しています。
「第10回 アラ還爺 雄蕊覚蔵の呟き(還暦過ぎても多感なピーターパン)」で記述した「男の矜恃として譲れないこと」は、今も「雄蕊なりの正義」と信じていますが、一方で、こうした態度は、還暦過ぎた今からでも改めなければならないと反省しきりです。

さらに余談です。
現場でよく耳にする言葉に「忙しいからできません」というフレーズがあります。至るところで、スタッフが口にします。雄蕊には「忙しい」という感覚が理解できません。金融機関勤務時代に課長職を務めた3支店のうち2支店は、全国150数店舗のなかでも三本の指に入る程ボリュームのある支店でした。また、次長職を務めた支店も総務関係、債権管理関係、融資関係の書類の検証と起案・決裁等、かなりのボリュームの仕事をこなしていたと思いますが、一度も忙しいと思ったことはありませんでした。「今日も一日、退屈しないで過ぎていった」くらいの感覚でしかありませんでした。
「頑張ります」という言葉もよく耳にします。ポジティブな言葉で前向きな姿勢の表れだと思うのですが、頑張るって具体的に何をどうすることなの?って思ってしまいます。
雄蕊のなかで、「忙しい」と「頑張る」は、曖昧過ぎて理解不能な言葉の代表格です。
また蛇足ですが、これまで上司やクライアントからの指示・命令、要請に対して「できません」と応えたことはありません。指示・命令、要請に素直に従える時は「承知しました」、自分の中で腑に落ちなくてYESと言えない時は「検討します」と返事をしていました。

 

「Look at Yourself(対自核)」とは、①幽体離脱して自分自身を離れた距離から見つめ直す、②自身の「強み」「弱み」を素直に受け入れる「受容力」を身につける、③進化するための自身に対する「気付き」を持つ、④進化に向けた改善行動をとることではないでしょうか?

還暦過ぎた雄蕊にとって、性格を180度変えることは不可能です。それでも死ぬまで進化するために「Look at Yourself」自分自身に対する厳しい目は持ち続けたいと思います。「感謝と恩返し」で、素敵な60代を過ごしたいと考える今日この頃なのです。

投稿者プロフィール

矢野 覚
矢野 覚
LINK財務経営研究所 代表 
1982年 4月 国民金融公庫入庫
1993年 4月 公益法人日本生産性本部経営コンサルタント養成講座派遣
2015年 3月 株式会社日本政策金融公庫退職
2015年10月 株式会社山口経営サポート(認定支援機関)入社
2019年12月 同社 退社
2020年 2月 LINK財務経営研究所 設立
2022年 5月 健康経営アドバイザー
2022年 7月 ドリームゲートアドバイザー
中小企業金融の現場で、33年間、政府系金融機関の担当者~支店長として事業資金融資の審査(与信判断)や企業再生支援、債権回収業務に従事するとともにそれに関する稟議書の起案・決裁に携わっていました。
その後、中小企業の財務責任者として資金調達、経営改善業務をお手伝いさせていただき、短期間で赤字体質の中小企業を黒字体質に改善するコトができました。
こうした経験を活かして、「財務の力でヒトとカイシャを元気にする」ために、小規模事業者・中小企業の皆さまのお役に立ちたいと考えています。

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