第10回 アラ還爺 雄蕊覚蔵の呟き(還暦過ぎても多感なピーターパン)

コラム

「こんにちは、雄蕊覚蔵です!」このブログを訪れていただき、ありがとうございます。ブログの投稿も10回目になりました。今回は、区切りとして、『アラ還爺 雄蕊覚蔵の呟き(還暦過ぎても多感なピーターパン)』と題して雄蕊なりの「中小企業現場雑感」を記述してみたいと思います。

 

金融機関に在籍していた当時、ギリギリになって「今月末の資金が足りない。何とかして欲しい。」という中小企業経営者からの悲痛なお願いを何度も聞きました。いくらなんでも時間がなさ過ぎる。突然そんなお願いをされても、とても対応しきれない。加えて、そんなことを言ってくる会社に限って、融資判断の材料(会計資料等)も不十分で稟議書を作成するにも手間がかかる。担当者泣かせの典型的な迷惑企業だと内心思いながらもなんとかしなくてはならないので、徹夜で稟議書を仕上げたこともありました。月末に間に合わせるため、課長や支店長に決裁を直談判したことも記憶に残っています。

現在は、個人情報保護、時間外労働の適正化等により、稟議書を店外に持ち出すことはご法度になっていますが、当時は自宅で稟議書を仕上げることもありました(持ち帰り労働禁止というお達しが当時もありましたが…もう何十年も昔のことなので時効ということで目を瞑ってください)。

 

昭和の終わり、バブルが起き始めた頃、初めて融資審査の仕事に就き、それから25年程、現場担当者や決裁者として事業資金の融資業務に携わりました。その間に気付いたことがあるのです。このブログでも2度同じ項目について触れさせていただいていますが、「多くの中小企業の経営者は、数字を見ることが好きではないらしい。つまり、数字に疎い」ということです。行き当たりばったりの経営・資金繰りでは、業績を伸ばすこともできないし、最悪の状況に陥れば破綻してしまう…。

雄蕊が50歳になったとき「…これはヤバイかもしれない。」そんな危機感を抱いて、「使えるお金は増やしたいけど数字については無頓着な中小企業の経営者達を救うことはできないか」という正義感(?)が自身の心の中に沸々と湧いてくるのを感じていました。

その頃、このブログで何度も取り上げたリーマン・ショックが起こります。厳しい経済情勢のなかで融資判断業務を担うことは、各担当者の「企業を見る目(目利き力)」の実力が試される機会になります。

当時の部下達に「こうした難しい融資案件を担当することは、それぞれのスキルを高める絶好のチャンスなので、基本に帰って勉強しよう。」と奮起を促しましたが、一方で課長である雄蕊自身が何もしないのでは威厳が保てないと思い、雄蕊も改めて、簿記、会計…色々な関連分野の参考書、ノウハウ本を数十冊、兎に角読み漁り、融資審査の基本を勉強し直すことにしました。そうすると、ある朝「財務の女神さま」が降臨してきたのです。その時以来、「財務に関しては誰にも負けない」という自負が生まれ、このノウハウを中小企業の経営者や融資の現場にいる金融マン達に伝えたいと思うようになりました。

困ったときは「基本に帰れ」です。リーマン・ショックが起きた直後、大阪市内にある経営コンサルティングも手掛けているような税理士事務所では数多く「Back to the Basics(基本に帰れ)」、「ピンチをチャンスに」をテーマにしたセミナーが数多く開催されていたように記憶しています。つまり基本をしっかり身につけることが重要なのです。

その時、およそ5年後の55歳で退職して、起業家や中小企業の財務支援、金融マンに中小企業金融のノウハウを伝授できればいいなと一大決心をしました。55歳で辞めようと決めたのは、幸せな60代を迎えるためには、還暦を迎えるまでの5年間は充電期間として、更に使いこなせる武器を身につけようと思ったからです。まさに雄蕊にとってのターニング・ポイントです。

金融機関を退職して半年が経過した頃に、金融機関時代の知人が経営している経営コンサルティング会社からお誘いを受け、経営革新等支援認定機関の相談員として「経営改善計画」の策定を数社お手伝いさせていただきました。更にその半年後、中小企業の財務管理を引き受けることになりました。雄蕊が50歳のときに志した「財務を基軸にした中小企業支援業務」に少しずつですが、近づいています。この5年間で人脈も拡がりました。これまで助けていただいた方、そして、現在サポートしていただいている方、皆様に心から感謝しています。

さて、財務管理者として、中小企業の現場で経営改善に取り組んだ経験から、雄蕊は1つの仮説を立てました。それは「中小企業の経営環境は決して恵まれてはいない。過半数の企業が赤字に悩まされている。その最大の要因は「財務」の専門家がいないことではないか。赤字企業の中には、意図して赤字を出している企業も含まれるかもしれないが、一方で、唯一無二の経営資源を持っているにも拘らず、赤字に苦しんでいる企業も存在する。「財務」という切り口でアプローチすれば解決の糸口が見つかるのではないか。」

こうして「かんれき財務経営研究所 雄蕊覚蔵」が誕生することになったのです。

 

「論語」の中に、孔子自身の人生を振り返った人生観ともいえる有名な一説があります。
「吾、十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従えども、のりをこえず。」です。
この言葉の意味は、「私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知り、六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった。」ということです。

雄蕊が五十歳の時、「勤務している金融機関のなかで雄蕊自身の立ち位置は何処か、存在価値は何だろう、雄蕊の天命とは何なのか」と真剣に考えました。そして自分なりに答えを出すことが出来ました。それは「人を育てること」つまり、中小企業の経営者・経営幹部、中小企業金融を担当するバンカー達を育成することだと勝手にそう決めました。

しかし、雄蕊自身は人間力不足です。幽体離脱して自分自身を見つめ直すと常に反省ばかり、還暦過ぎても後悔と反省の日々の繰り返しです。人には変化できない面もあると諦めることも必要なのかもしれませんが、まだ、少しでも人間力を磨きたい、進化したいという想いは消えません。

一方で、雄蕊には、人として「譲れないこと」があります。これは死ぬまで変わらない。変えることができない「男の矜恃(きょうじ)」としての信念です。

それは、上司、同僚、部下等、どの立場にいる者に対してもどうしても許せないコトがあります。具体的に列挙すると、①嘘を吐く、②誤魔化す、③(他責に)逃げる、④隠すことを平気でする者達。こう感じ取ったら「烈火の如く」怒ります。そのために「パワハラ」だと言われたこともありましたが、決して許してはいけないと思っているのです。何故なら、一人のそうした言動により、組織内の他の人員を守れなくなったり、対外的な信用失墜に繋がったりする恐れがあるからです。最悪、組織を崩壊させる可能性もあります。但し、これはあくまで「雄蕊個人の考え方」なので否定されることも覚悟のうえです。忍耐力や人間力が足りない。部下のコントロール力がない等々、人間ができていないと言われればそれまでなのかもしれませんが…。

それでも、雄蕊は、ともに中小企業金融の現場で戦ってきた部下たちに対して「我が子の幸せな成長」を願うのと同様に、「部下の幸せな成長と活躍」を期待しています。自分の許に居た若い部下達が成長し、いいポストに就いたという嬉しい知らせを耳にするコトほど管理職冥利に尽きることはありません。そんな部下の成長を期待すればするほど、部下として自身の許に居たときは結構厳しく接しました。雄蕊のなかでは「仏の心で鬼になった」つもりでしたが、それを「良としない」上司や部下も確かにいました。

人材育成は、容易いことではありません。硬軟取り混ぜて、根気よく指導することが大切だと思います。山本五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」が、身に沁みます。この境地に立って指導することができれば最高なのですが、なかなか難しいと感じています。

 

足許に目を向けると「新型コロナウイルス感染」の第二波が確実に拡がっています。

政府は、「段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていきます。新しい生活様式・スマートライフを定着させ、感染拡大防止と経済再生の両立を図っていきます。」としています。目に見えない敵が猛威を振るっているのです。短くてもワクチンや特効薬の開発までの期間、この戦いは続くとみるのが妥当ではないでしょうか。未曾有の危機に直面しています。状況の変化に応じた国の明確な説明とリーダーシップの発揮を期待します。

雄蕊に出来ることは、このブログを通じて中小企業を守るために少しでも役立つ情報を発信することくらいしかありません。テーマも更新時期も不定期ですが、継続していく予定です。引き続き、よろしくお願いします。

投稿者プロフィール

矢野 覚
矢野 覚
LINK財務経営研究所 代表 
1982年 4月 国民金融公庫入庫
1993年 4月 公益法人日本生産性本部経営コンサルタント養成講座派遣
2015年 3月 株式会社日本政策金融公庫退職
2015年10月 株式会社山口経営サポート(認定支援機関)入社
2019年12月 同社 退社
2020年 2月 LINK財務経営研究所 設立
2022年 5月 健康経営アドバイザー
2022年 7月 ドリームゲートアドバイザー
中小企業金融の現場で、33年間、政府系金融機関の担当者~支店長として事業資金融資の審査(与信判断)や企業再生支援、債権回収業務に従事するとともにそれに関する稟議書の起案・決裁に携わっていました。
その後、中小企業の財務責任者として資金調達、経営改善業務をお手伝いさせていただき、短期間で赤字体質の中小企業を黒字体質に改善するコトができました。
こうした経験を活かして、「財務の力でヒトとカイシャを元気にする」ために、小規模事業者・中小企業の皆さまのお役に立ちたいと考えています。

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